メイクスの対応
1、コストを抑えた制作について
コストを抑えた所謂ローコスト制作について確認しておきます。
まず、何を以ってローコストか。ひとつは金額。内容にも依りますが金額が数万円から数十万円と考えます。
例)
・5分程度の映像にナレーション収録、整音 8万円程度
・記録撮影1日(カメラマン1名と機材)、簡易編集 10万円程度
・既存素材編集、音楽入れ(構成支給、ナレーション無、10分程度) 10~20万円程度
・シナリオ、撮影、編集、ナレーション、MAなど一通り 40~50万円程度
もうひとつは作業内容。全体の制作ではなく部分を担当する場合です。
・記録
・既存素材編集仕上げ
・必要部分の演出
・ナレーション入れ
・DVDオーサリング
・タブレット端末向けファイル書き出し 等
2、コストは抑えても目的を達成する
メイクスではローコストの場合でも手は抜きません。作業工程は通常と同じ工程を踏みクオリティを保ちます。
部分を担う場合、担当以外のクオリティが把握できないため全体を見た調整作業ができず、失敗を避けるための「幅」を持たせるためむしろ手がかかります。
担うのがたとえ部分であっても目的を達成できるものをつくる事に変りありません。
3、基本的な要素について
-1、音声
業務用コンテンツの場合、音声が聞き取りにくいとコンテンツの効果が大きく損なわれます。特に講演や会議を伝える場合には画面以上に音声が大切であり、コメントが聞こえにくいと伝わりにくい上、視聴者の見る気をそいでしまいます。収録時に音声入力に外部マイクやライン入力をする事が欠かせません。入力端子のあるカメラや外部マイクをレンタルする事も可能ではないでしょうか。
聞き取りにくい音声をMA(Multi Audio : 音声の編集)で音域をいじり特定の音を立てる事もできますが、同じ音域にある不要なノイズも立ってしまう為、加工した不自然な印象もあり、きちんとした収録音声には勝てません。
発言者が複数人、音量レベルをリアルタイムで調整、ワイヤレスマイクなどこの規模になると専門スタッフの領域です。
-2、編集
セーフティゾーンとオーバースキャン
社内制作の場合、よくあるのがテレビの表示領域(セーフティゾーン)を考慮せずにオーバースキャンでつくっていることです。
民生用のテレビでは約90%の表示で、PCやフルハイビジョンは100%表示の為、100%表示でレイアウトしたテロップは90%表示のセーフティゾーンでは欠けてしまう場合があります。テロップ位置は80%以内に入れるのが定石です。
お客さまが制作したムービーのDVD-R出力を依頼された時、以上のようなテロップ が見切れる現象に出くわした事がありました。翌日海外に持参すると聞いていたため、急遽編集で全体を縮小してからDVD-Rへ出力をさせて頂いたことがあります。
カットやテロップの表示尺
一般の方の編集に多いのが1カットの尺やテロップ表示尺が短いという傾向です。内容を理解している方が作業をし、ご自分の理解できる尺で編集するためと考えられます。初めて見る方が表示尺に追いつけず、分かりにくい事になります。
このような初歩的な事も含め「視聴者に与える効果」という編集上の計算(演出) は数え切れないほどあります。
おつくりになったものを基礎編集として預かり、当方にて再編集する場合もあります。イベントやプレゼン等の外部用の作品はプロにお任せになる事も必要です。
-3、再生
デバイスの不安
DVD Video PlayerでDVD-Rを再生できない場合があります。特に古い機種に見受けられます。プレスしたDVDでは起きない現象ですが、信号を盤に焼くRの場合、認識しない場合がある為、失敗できないイベント等では使用するプレーヤーでお使いになるDVD-Rの再生確認は必須です。
また、ある設定が残されていてきちんと表示されない場合もあります。以前納品したケースで画面が見切れる現象が起きました。検品して納品した為再度確認をしてもらったところ、その機種だけに起きた現象でした。
他には、オートリピート設定をする場合、機種により見え方が異なります。例えば実写画面Aで終わらせ、実写画面Bから始まり結果A→Bをシームレスに見せようとオートリピートを使うとします。
該当機種はAが終わってもAの残像(静止画面)が残りBに移り(Aの動き→Aの残像→Bの動き)ぎこちない再生になりました。プレーヤーのメーカーに確認したところ、機種のバッファー機能が低い事が原因という回答がありました。
こういう事は試してみないと分からない事で、最近のデジタルデバイスはコストを見えにくい部分で低減させており、個々の動作検証が必須です。(色の再現性も同じことが言えます)
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