企業の映像制作
第18回 iPadを来場者に貸与してコンテンツを見せる
先日iPad用のムービーを編集しました。
展示会でブース来場者にiPadを貸与して製品紹介ムービーなどを見せる、というものです。
ムービーは既存のものを使いましたが、ナレーションが会場の音で聞こえにくいことを見越して
映像の下にテロップスペースを作り、そこに同期して入れました。
もとの映像がSDの16:9なのでiPadの画面より一回り小さくなりましたが、
拡大しなくても違和感無く収まりました。
iPadのスクリーン解像度は1024×768ピクセルで、入れたムービーは852×639ピクセル。
製品紹介の映像を短いブロックに分けて見たい部分にアクセスできるようにアプリを用意、
資料画像もライブラリー的にアーカイブ化しています。
アプリがあるので素材を追加できます。
中小規模までなら実機の台数手配も現実的で、ちょっとしたイベントはタブレットを貸し出して
好きなコンテンツを見ていただく、というスタイルが広まりそうな予感がしました。
これまで展示会では中途半端な大きさのスクリーンでは映像を流しても、
じっと見るような雰囲気は無かったので興味のあるお客様には良い方法ができたと思います。
タブレット端末の価格が下がっていくと飲食チェーン店のメニューなんかは紙に置き換わるのでしょう。
より豊かで新鮮な情報をネットワーク経由で見られるようになると、選ぶのにも楽しく差し換えも簡単です。
オーダーも端末からできるでしょうから人件費も考えると益々その方向に行きそうです。
タブレットの業務用進化を予感させてくれました。
ちなみにiPad用のアプリは敷居が低くなってきています。
ムービーはiOSなので従来との大きな変化はありません。
ただSDとHDの映像、解像度の異なる画像が混在すると厄介かもしれません。
以上簡単ですがiPad用コンテンツのレポートでした。
第17回 テロップでナレーションを代替する
今回はテロップでナレーションを代替する方法について。
以前にあった事例ですが、どうしてもナレーションを使いたくない、
テロップで表現したいというケースがありました。
ここで「これです」と実物をお見せできないので、架空の展開案を用意しました。
上がナレーションを使う場合、下がテロップで置き換えた場合です。
ナレーションを使う場合には、ナレーションに沿った映像をあてます。
テロップで代替する時は、該当カットの前にテロップを多少表現を変えて置きます。
尺(時間)はテロップを差し込む分長くなりますが、効果的な選曲を行うことで、
荘厳な 雰囲気が出て、ゆったりと見せたい場合には効果的だと思います。
会場の都合で音を出すことができなかったり、
聞き取ることが期待できない環境ではナ レーションを使わない方法は有利で、
使い勝手が高いです。
またウェブの場合でも、音を使わずに表現したい動画などでもアリです。
更にナレーション関連費用(ナレーター、録音、整音)が掛からないので、
費用面でのア ドバンテージがあります。
但し、映像だけで「読ませる」ので、
編集確認(すり合わせ)の為の作業量は増えると考えるべきです。
手持ちの画像だけで構築できるので、
映像素材が無い場合でも作品を作ることが可能な方 法だと思います。
以上、実際のケースからお薦めできるノウハウでした。
「こんな場合はどうか」というご相談があればお気軽にお問い合わせください。
第16回 クリアな音声が欠かせない
今回はどんな条件でも欠かせないクリアな音声について。
テレビでもPCでも聞き取りづらいことってありませんか。
近頃のテレビではテロップフォローされることが多いので聞き取りづらくても分かりますが、
何を言っているのか聞き取れなかったりするといらいらさせられたり、
見る気が失せてしまいます。
音声では3つの要素があります。
1)喋る人の滑舌と声量:
滑舌は致し方ないとしても声自体のボリュームは要注意です。
声量の異なる複数の人が喋ると録音レベルが適正でも声量の少ない人の声は結果、
聞き取りづらくなります。
2)収録方法:
会場でマイクを使う場合には音声ラインから収録、
ピンマイクを発言者に付ける、
ガンマイクを発言者に振る。
いづれの場合も録音レベルを適正に収録する。
3)整音、ミックス:
収録時の音声、ナレーション、選曲、
効果音などの複数音声を(ステレオの場合L+Rの2本)限られたラインに
レベルを調整して収めます。
この時、ナレーションが立って聞こえるようにメリハリを付けたり、
使用状況に叶った(再生環境に合う)ミックスが行われます。
以上のセオリーなんですが、費用面で一部の作業ができない場合があります。
しかし、2)の適正な収録だけは避けられません。
家庭用ビデオカメラのカメラマイクだけで収録した音声のような
聞き取りにくい状態では余程良い条件で収録が臨めなければ態勢を整えるべきです。
先日、諸事情から諭吉さん10人で講演記録と編集をする事になりました。
音声マンを入れる余裕は無いのですが、
生命線の音声がきちんと収録できなければ見る方をいらいらさせたり、
見る気を失わせてしまう可能性があります。
やるからには最低限の事はしようと考え収録は予算以上の対応をしました。
予算どおりの対応では何か不測に事態が起きれば、全て台無しの可能性があります。
PC再生、特にストリーミング再生では音声がポイントです。
クリアな音声は何かを伝える場合、不可避だと思います。
第15回 ハイブリッドDVDという選択
映像を再生する際にテレビとDVD Video Playerが無い、
PCにDVDプレーヤーが無い場合DVDが再生できません。
折角つくった映像が見られない、使えないというのではすっかり台無しで す。
弊社で納品する際、お客様の使われる状況を聞くようにしています。
再生機器や環境がDVDの再生可能な状況で固定されていれば良いのですが、
不確定な場合にはPCで再生できるようハイブリッドDVDで納品する場合があり ます。
ハイブリッドとは、DVD VideoとWMVの組み合わせからこう呼んでいます。
仕組みとしては以下のようなものです。
再生側にDVD Videoを認知するデバイスがあれば、
収容されているDVD Video信号を読んでDVD Videoを再生します。
この際、DVD Videoにはオートスタート機能を組み込んでおきます。
これはテレビ+DVD Video PlayerでもPC+DVD Videoでも同じです。
またDVD Videoを再生できない場合はメディアファイルとして開き、
収容ファイルであるWMVを再生します。
企業でお使いになるPCは殆どがWindowsなの で、
WMVが再生不可という事はこれまで未経験です。
要するにメディアにファイルとしてダブルスタンバイしておくという事です。
複製する場合でもDVD-R の複製としてDVD Videoだけの複製と同じ金額で
出来るのでハイブリッド盤対応に損はありません。
*原版制作費が若干異なります
是非参考にしていただきたいと思います。
第14回 変化する依頼内容
今回は最近の変わりゆく企業の依頼内容とその理由について。
お客様からご依頼戴く制作内容が変わってきている。
2008年以降、印刷用や社内の記録画像といった
既存素材を使った映像制作(編集)が増えてきていると思う。
それまでは無かったというわけではないが、
一部に使用する程度だったものが、全てを印刷物や社内の既存素材で構成、
目的に沿った仕上げで、という依頼内容だ。
対応としては、
パワーポイント的な表現にならないように少しでも映像的な見え方になるように工夫している。
またコストも抑えたご要望になるため、
撮影がない分の不足する要素を補う工夫
~山場をつくりにくいのでメリハリ付け、動く背景素材をさりげなく入れる等~
はするのだが静止画だけなので編集はちょっと時間がかかる。
また音楽・効果音、音声のジングルで補うという見せ方の工夫も必要で、
補う工夫をすることで違和感無く見られるように注意している。
既存素材を使った映像制作。
全てを印刷物や社内の既存素材で。
これには予算的に厳しいという理由もあると思うが、
もう一つの理由としてどんな画面で作られるのかが事前に分かるのでつくりやすい、
という事情があるのではないかと感じている。
一般的に映像は完成して初めて全貌が分かるというやっかいな部分がある。
企画やシナリオから制作する従来の一般的な場合、
「どんな場面が重なっていくのか」が見えにくい為に敬遠されるのではないか。
併せて予算が少ない事もあって「既存素材でつくる」という現象が増えているではないか。
もっと言えば余計な装飾を排して核心だけをストレートに表現して、
という声なき声がご依頼企業にあるのではないか、とも感じている。
余計な装飾を施すつもりは無いが、見やすく印象には残したい。
与えられた条件(素材)で少しでも良いものを、
と通常より注意して制作するのが基本対応になっている。
(静止画だけでつくるのって結構難しいんです)
第13回 MA整音ミックス作業は大切
今回は音声のことです。
聴きやすく、耳にすんなり入ってくる大切さについて。
映像の後工程には画面編集と音声の整音MAVがあります。
映像編集は文字通り、画面編集で映像に入っている音声の取捨選択も行われます。
MAVとはMult Audio Video、複数の音声~ナレーション、音楽等をステレオのLR、
2トラックに集約する作業です。
ナレーション収録や音源の仕込みの後にナレーションや音楽(SE,ME)などの
音源の整音、音声のミックス作業があり、とても大切な工程です。
*SE:Sound Effect ME:Music Effect
ナレーションが立って聴きやすいものになっているかどうかは
このミックス段階で決まります。
(ナレーターさんの声質の要素もありますが・・・)
音楽のレベルが高くナレーションが聞き取りにくい、
というのはきちんとミックスされていない事になります。
こういう場合、再生側のボリュームを上げても聞き取りにくさは変わりません。
音楽も聞かせつつ、ナレーションが気持ちよくすんなりと聞ける、
という事が大切、というかこうなっていなければいけないのです。
ナレーションが聞き取りにくいでは映像の役割を果せていないことになります。
特にウェブでムービーを公開する場合、
音声が必須のものはきちんと整音ミックスをする必要があります。
ナレーション収録が無く素材に収録された音声に音楽をつける場合でも
整音ミックスにより、素材の音声を極力引き立てます。
(収録状態が悪いと限界がありますが)
ところがコストを抑えるために、
この整音ミックスを編集作業で済ませようというケースがあります。
編集での音声処理は大まかな「整理」作業なので、
音声のメリハリをつける整音ミックスができません。
編集とMAVは機材も人も異なる別工程なので、
音に関する作業はMAV、整音ミックスで行うことが結果早くて効果的です。
音は目に見えないので分かりにくいのですが、
聞き取りにくいものは精神的にも良くなく、結果伝わりにくいツールになってしまいます。
きちんとナレーション や音声を聞けるようにする。
当たり前といえば当たり前ですが、根幹に関わる大切なことです。
この工程をコストダウンにより削ったなら、画竜点睛を欠くこと になりかねません。
しばしば「制作費は何故こうも開きが大きいの」「もっと安く」「この半分くらいで」と言われたりするので、
停滞する経済以外の理由や時代的な対応方法を考えているこの頃です。
車や楽器、自転車やAV機器。
車なら乗り味とか独自の世界や愉しみが欲しいのか、
ギターなら音の響き方や正確な調律にこだわるのか、
自転車ならどこまでも走り続けたい高揚感やメンテという慈しみを求めるのか、
スピーカーならどんな音の再現性を聞きたいのか・・・
と自分の趣味の世界で置き換えて考えてみると、確実に言える事がありました。
それはいきなり上級の世界は要らない、です。
何かを企画したり制作する時、
これまでは条件の中で一番良いと思われる方法や手段を採るようにしてきましたが、
条件自体を変える必要がありそうです。
制作者が考える良いと発注者の良いの開き、
これをまず大きな条件、費用面で無くさなければいけない。
先日とある改訂作業がありました。
制作した内容の一部差し替えです。
ごく簡易に差し替えをしたいとの申し出があったこともあり、
上記の「良いの開きを費用面で無くす」試みをしてみました。
あるブロックを別なブロックの途中に差し込む作業です。
差し込む場所が途中なので音楽も切れ、ブロックで表現している内容が途中で切れることになります。
本来ならシナリオを再構築、ナレーションを録り音楽も敷き直し、再度整音したいところです。
しかし敢えて目をつぶり編集作業だけに留めました。結果は問題なく終了。
このケース、あまりに酷いものになるならこうしませんが、許容できるラインを下げてみました。
ちょっとゆるめも有効なのかもしれません。
但しゆるい事やちゃんとしたものがある事をきちんと伝える必要があります。
望まれているのが「ママちゃり」なのか「ロードバイク」なのか。
「ロードバイク」だけではなく「ママちゃり」も提示しながら対応していかないといけないようです。
製品を売るのとは違い、受注してからつくるので「上がり」が分かるのは完成後になる。
新たにゆるめも入れた企画設計をして、
ジャストフィットする企画と制作のシステムを考えてみようと思い始めています。
第12回 企画競合
今回はいわゆる企画コンペについて。
企画の競合はやはり緊張します。
それゆえ企画が採用された時の嬉しさは格別ですね。
さて、採用される企画内容について最近の(勝手な)傾向についてひとこと。
オリエンテーションで戴く資料には
目的、納期、予算そして依頼内容などが記されています。
通常はそこに書かれている情報に則って考えていくわけですが、
どうやらそれでは通らない場合があると感じています。
どういう事かと言いますと、前提となるオリエンシートの情報自体に縛られると良くないな、という事です。
何らかの課題があって課題解決の為に企画を依頼する、これがコンペのありようです。(普通は)
ところがオリエンシートに記されている(あるいは記されていない)課題と依頼内容にずれがある場合ばどうでしょう。
例えば製品Aが改良され新製品Bが完成、そのBを訴求するようなプロモーションツールの企画提案依頼だったとします。
課題が「Bを売る」依頼内容は「Bの紹介方法や訴求方法」となり、当然我々はBについての紹介方法を考えたりするわけです。
ところが本当の解決策は「AやBを含んだ製品ジャンルの情報整理」にあったりするのです。
発信側からすれば新製品Bが主役なわけですが、受け側ではまだAもBもよく分かっていない事もあるわけです。
これがずれであり、貰った情報自体に縛られると良くない、という事です。
発注者は当事者であり専門家ですからA/Bを熟知していますが、
そもそもA/Bって何なの、という所から考え(疑っ)てみる事が必要だというのが勝手な見解です。
上記のように書いてしまうと「そんな事か」と感じるかもしれませんが、
なかなか基本情報から抜け出して考えるというのはそう出来るもんじゃありま せん。(特に複数の会社で制作を行う場合)
提案する企画を考える事も大変ですが、依頼の仕方次第で結果が大きく変わったりするので
企画競合って本当にデンジャラスだと思います。
それでも(だからこそ)企画競合は大歓迎です。
第11回 記憶に残して効果を上げるには
今回は店頭用映像の制作について。
スーパーマーケットのPB(プライベートブランド)商品が価格高騰の折り、よく売れているようです。
そのPB商品告知のための店頭用映像制作をさせて戴きました。
企画にあたって考えたのは「理屈より耳に残ること」です。
具体的にはPBブランド名の楽しげなジングルをつくりました。
実は私にはあるジングルが耳に残って困った経験があったからです。
昔ダイエーが躍進していた頃です。
そのダイエーの店内では延々とあるジングルが流れていました。
『ダイエーイ、ダイエーイ、エイ、エイ、エイ、エイ、エイ。
ダイエーイ、とってもエイ、エイ、エイ、エイ、エイ。』
(お分かりになる方には深く頷けると思いますが、分からないと全くの?だと思います)
そのジングルが家に帰ってきても暫く耳から離れません。
そんな経験があったので
「理屈<旋律」 「特定の旋律=特定物」 というような企画の立て方をしました。
お店の中でオリジナルソング(!)を流すなんてもしかしたらダイエーが嚆矢なのかもしれません。
当時のデパートでオリジナルの楽曲(その名を入れた何か)を聴いた記憶がないのですが。
(どなたかこの辺りご存知でしたらご教示ください)
私たちがつくったジングルをお客さまが聞いて
そのチェーン店とそのPB商品が結びついてくれると良いと願っていました。
後日談。
関係者によると「○○フェアで告知映像を流して売り上げが120%に」とのこと。
映像に依る効果かどうかは不明ですが嬉しいお知らせでした。
そんな事があったのでよく買い物で赴くお店で流れるBGMには注意しています。
当たり障りの無いBGMが多いように感じます。
折角だから心地よく記憶に残るジングル(BGM)や軽い笑いの取れるアナウンスなんか、
時折流すと良いのになあ、と思います。
第10回 限られた予算で良いものを
企業の皆様がコンテンツ制作をお考えになる場合、
予算と内容の関係が気になる、分からないという事が多いのではないでしょうか。
限られた予算でも良いものをつくりたい、でもこの予算で何ができるのかが見えない。
予算が厳しくなればなるほど「?」は大きくなっていくのではないでしょうか。
さてここで質問です。
「良い」とは何を以ってすれば「良い」となるのでしょうか。
あなたの企業にとっての「良い」をまず明らかにする必要があります。
印刷物での「良い」。
ウェブサイトでの「良い」。
映像コンテンツでの「良い」。
それぞれの特性を生かして色々な「良い」を目的・手段両面から設定する必要があります。
限られた予算で目的を果たそうとする時、
それを達成する手段(=表現方法)をピンポイントで設定しなければいけなくなります。
このピンポイントで、というところがとても難しい処だと思います。
予算が少ない=絞り込んだ表現方法をせざるを得ないからです。
私見ですが、悩ましいけれど制作会社の力量が問われるのが
企業の固有の目的を理解し表現方法を絞り込んで良いものをつくる事だと思います
例えばこれまでの例ですが
「つくり込んむ作業をあえて捨て、実写撮影に注力する」
「制作要素を絞り込んで口頭説明を組み合わせる」
「制作準備期間を長くとり、目的を達成する表現方法をきっちり詰める」
もし「?」が大きくなっているようならどうぞお気軽にご相談ください。
info-b♪makes.co.jp
メイクス 企画室 相談係
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