第4回 「役立つ力を伝える その3 営業」
このシリーズの考え方は以下のことを前提にご紹介しています。
「商品やサービスと共にそれらを支える力を伝えることが大切。」
「力とは専門家ならではの経験やノウハウ、独特の見解など。」
「力を伝える事で出来る事を考えてみる。」
4回目は営業分野で力を伝える可能性について。
まず営業と言っても業種や業態により各社各様です。
集客から、内容確認、交渉、受注、販売、納品、売掛金回収、納品後のフォローなど
幅広く受け持つ場合も多いと思います。
また売上という責任を果すために日々のプレッシャーも大変だと思います。
目の前にある事を処理しなければいけないなど
企業活動の「慣れ」が一番色濃く残っている役割だと思います。
しかしお客さまとじかに話ができるというアドバンテージを活用することで
イノベーションの起点とされることをご提案します。
営業分野で力を伝える可能性:
売る一辺倒からお互いに有益な情報交換機会へ
お客さまとじかに話ができる営業に一番必要な事とは、
お客さまと話してお客さまの事を知ることではないでしょうか。
売るのが役割ではありますがお客さまが必要とすること、
更にその先にユーザーがいる場合にはユーザーの役立たつものを売るのが仕事です。
お客さまの必要とすることを本当に提供できていますか。
その必要とされることや役立たつもの自体に変化がありませんか。
新たな力の活かし方、新しい役立ち方がないか、
これまでの慣れを見直した営業職の活かし方が重要だと思います。
厳しい環境だからこそ、まずお客さまの声にきちんと耳を傾けること。
それを担うのがお客さまとじかに話ができる営業職だと思います。
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日本のものづくり企業が今後行うべきは「価値づくり」にあるとの提言があります。
”日本企業が価値づくりをできていない最大の要因は、
意味的価値が創出できていない点である。
企業が顧客のことをとことん知り、意味的価値を創出することができれば、
限られた資源を使ってより大きな価値をつくることができる。”
※以下より抜粋引用しました
延岡 健太郎 一橋大学イノベーション研究センター教授
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しかしなかなかお客さまと思うように話しが出来なかったり、
何を話せば良いか分からないというケースが多いのではないでしょうか。
その方法を考えてみます。
①仕事について聞く
まずお叱りや要改良点も含めた意見に耳を傾ける。
アンケートに記入戴いてから内容を聞く事が良いかもしれません。
ご指摘があった点は社内で共有しておくべきですね。
この事だけでも大切な情報を沢山戴けると思います。
②お客さまの知らない力を伝える
おつきあいしている場合でも自社の全ての領域をお客さまが知っているとは限りません。
他社での事例、最近の仕事例などを話題にできます。
これがきっかけで仕事に発展する場合もありますし、
他の部署で「話を聞かせて欲しい」となっていく可能性もあります。
この時紹介する例を紙なりデータで渡せるようにすると
情報としてお客さまの手元に残り他の部署へ渡してくれることにも繋がります。
そして①②で得られた情報から改善点、
そして新たな提案が生まれイノベーションに繋がっていくのではないでしょうか。
或いは自社の力を分解して再構築する場合もあるかもしれません。
取引先との限定された世界で事業を行うのではなく、
視野を広げて行動することが必要になる場合もあるでしょう。
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サービス業の例として、
あるクリーニングチェーンが業態を変えたとも言うべき事例です。
クリーニング業から不用品引き取りサービス業への転換です。
”地震後、不用品引き取りを優先順位トップにしたことで、社会全体の見方が変わりました。
つまり、これまではお客様とクリーニング店の間だけでの資源循環でした。
汚れた洋服を洗濯し、それをお客様に返すという。
それが、この引き取りサービスを起点にすることで、社会全体の資源循環が実現して、
お客様と同じ方向を向けるようなったと実感しています。
やってみて気づいたことは、お客様と相対するというだけでは不十分です。
実は社会や地域とも、企業はこれまで相対の関係でした。
社員にも相対でした。取引先も同じです。
しかし、これからは社会貢献という視点で、
みんな一緒の方向を向いて会社を経営していかなければなりません。”
※以下より抜粋引用しました
日経ビジネス オンライン記事 「究極のサービス」より
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自戒も含めてこんな風に考えます。
現在の仕事はこれまでの経緯からたまたましているに過ぎないのかもしれない、
誰かの役に立つことが仕事であるからには必要とされる内容が変わる事は何の不思議も無い、と。
お客さま、その先のユーザー、もっと広い社会という中で仕事を見つめ直す。
それはお客さまの声に耳を傾けることから始まります。
そして役立つ力とその可能性を伝えながら新しい役割を見つけていく、
こうした作業が今後何よりも大切なことかもしれません。
(次回へ続く)