連載開始にあたって
このたびの大震災、福島原発災害で被災された皆さま、ご家族および関係者の方々に
心よりお見舞い申し上げます。
今回の震災は私たちに様々な思いを想起させてくれました。
普段の生活、家族や地域の存在、自然環境、原子力とエネルギー、助け合い、仕事。
中でも経営者、職業人には仕事、事業の果す社会性について、
様々な思いを馳せる機会になったのではないでしょうか。
一方で事業を取り巻く環境は長期にわたる景気低迷と閉塞感が続き、
明るい兆しが一向に見えてこない状況です。
またネット上で交わされる人々の声が大きな力を持つようになり、
twitter、facebookなどソーシャルメディアの浸透と共に情報発信は、
一方通行の時代が終わり双方向から集積・再発信へと急速に変化しています。
私たちは映像・コンテンツの制作・活用を通じて企業の情報発信を支援してきました。
急速な変化に対応した企業の情報発信は大きな変革が急務ではないかと感じています。
一方通行ではなく時代変化に叶った企業の情報発信の方法、
これまで存在していなかったやり方が少しずつですが現れてきました。
新連載「創造型情報発信」で広い観点と柔軟な仮定で今後有効と考えられる新しい方法について
ご提案していきたいと思います。
皆さまの事業運営のささやかなヒントになれば幸いと考えています。
第1回 「これから必要なこと」
高度成長期を経て低成長、長期低迷と一貫して日本の企業はがんばってきました。
日本人ならではの繊細さはものづくり、サービスで世界に比類の無いレベルを未だ保っています。
ただ傾向として一定の枠組みの中で細かな部分に目を向ける事は得意な反面、
新しい枠組みを構築する事は残念ながら不得手であるように感じます。
一定の枠組みの中で皆が同じ方向を向いて走ることがこれまで有効だったわけですが、
今そのことが足かせになっていると思うのです。
戦後65年にわたる企業活動で染み付いた「慣れ」があらゆる場面の行き詰まり、
閉塞感を生み出しているのではないでしょうか。
・事業の慣れ:
これまで扱ってきたモノやサービスを同じような顧客層に提供すること
・集客の慣れ:
既存の一方通行的な広告という方法
・営業の慣れ:
売る局面という設定
・協力先への慣れ:
下請け委託先という存在
・採用の慣れ:
業に従う労働力という位置づけ
・地域の慣れ:
必要最小限の消極的なおつきあい
このような「慣れ」から覚醒し見直していくことに
大きな可能性があるのではないかと思います。
見直すとは、
役立ち方を広く柔軟に考える、
多くの人の声に耳を傾け、
力の新しい使い方を見つけていく事ではないでしょうか。
力の新しい使い方とは、
製品やサービスを支える力を活かせる需要の元に再構築する、
力のエッセンスを提示してその力を必要とすることに活用する。
情報技術を活用して力を活かす新たな枠組みを再構築していくことです。
・事業:
モノやサービスを生み出す能力を活用できる新需要・新顧客層との出会い
・集客:
能力や思想への共感から主体的な行動を促す非広告的な方法
・営業:
売る一辺倒からお互いに有益な情報交換機会
・協力先:
自社の利益の為の存在から共に利用者や社会に価値をもたらす支援者的な存在
・採用:
労働力という存在から共に価値を生み出していく財産・才能と捉えた関わり方
・地域:
必要最小限という消極的な関わりから能力を還元する積極的な関わり方
新しい需要、
新しい支持、
新しい営業方法、
新しい協力先との関係、
新しい才能との出会い、
新しい地域との関係づくりが
これからの事業展開に必要になってくると考えます。
行き詰まりや閉塞感を打破するには、
新しい出会いをつくりイノベーションを起こしていくことではないでしょうか。
そのための情報発信と受信、情報の充実や数の拡大、行動への移行は
コンテンツとメディア活用で実現可能な状況になっています。
後はやる気次第です。
そこで私たちは皆さまの「役立つ力を伝える」支援を行いたいと考えています。
「役立つ力」とは事業を構成する製品やサービスを支える能力、
集客、営業、委託先、人材採用、地域との連携。
「伝える」とは提案要素を含んだコミュニケーションの構築。
宣伝でもない、売り込みでもないもの。
役立つ力を必要とする企業や人に力を提示して繋がっていく。
提供者と利用者がお互いに満足し合える仕組みをつくる。
そのような創造型情報発信を考えています。
(次回へ続く)