企業の映像制作「第12回 企画競合」
第12回 企画競合
今回はいわゆる企画コンペについて。
企画の競合はやはり緊張します。それゆえ企画が採用された時の嬉しさは格別ですね。
さて、採用される企画内容について最近の(勝手な)傾向についてひとこと。
オリエンテーションで戴く資料には目的、納期、予算そして依頼内容などが記されています。
通常はそこに書かれている情報に則って考えていくわけですが、どうやらそれでは通らない場合があると感じています。
どういう事かと言いますと、前提となるオリエンシートの情報自体に縛られると良くないな、という事です。
何らかの課題があって課題解決の為に企画を依頼する、これがコンペのありようです。(普通は)
ところがオリエンシートに記されている(あるいは記されていない)課題と依頼内容にずれがある場合があるとすればどうでしょう。
例えば製品Aが改良され新製品Bが完成、そのBを訴求するようなプロモーションツールの企画提案依頼だったとします。
課題が「Bを売る」依頼内容は「Bの紹介方法や訴求方法」となり、当然我々はBについての紹介方法を考えたりするわけです。
ところが本当の解決策は「AやBを含んだ製品ジャンルの情報整理」にあったりするのです。
発信側からすれば新製品Bが主役なわけですが、受け側ではまだAもBもよく分かっていない事もあるわけです。
これがずれであり、貰った情報自体に縛られると良くない、という事です。
発注者は当事者であり専門家ですからA/Bを熟知していますが、そもそもA/Bって何なの、という所から考え(疑っ)てみる事が必要だというのが勝手な見解です。上記のように書いてしまうと「そんな事か」と感じるかもしれませんが、なかなか基本情報から抜け出して考えるというのはそう出来るもんじゃありません。(特に複数の会社で制作を行う場合)
提案する企画を考える事も大変ですが、依頼の仕方次第で結果が大きく変わったりするので企画競合って本当にデンジャラスだと思います。
それでも(だからこそ)企画競合は大歓迎です。