第1回 妥当な制作費とは
企業のご担当者向けに制作者側から知っておいていただきたい、
或いは企業側が気になりつつも あやふやな情報にとどまっている、
と思うことをご紹介していきます。
今回は費用、映像制作費って一体いくら位が妥当なのか、について。
用途や制作規模により本当にまちまちです。
また幾ら以上でないといけないというものでもありません(数万円では無理ですが)。
その事が一層分かりにくくしていると思いますが、逆に条件 付けが一切無いのに「○○万円ポッキリで制作!」というのも要注意です。
はっきり言います。
制作に関わる人間が携わる時間分の生活費はどうしたってかかりますし、 使われる放送用機材やスペースの費用はお高いです。
効果的な制作費にしようとする場合に必要 なことは、映像にする内容を吟味し、手段としてピンポイントで目的を果たすことだと思います。
例えば一番割高になるケースはものすごくおおざっぱに、何でもかんでも映像化する場合です。
目的が絞られていないと、手段としての映像もあやふやな内容にならざるを得ません。
あれもこ れもでは幕の内弁当のように総花的になり、結果高いものになっていきます。
こういう場合出来 上がったものは往々にして「何を言いたいのかよく分からない」という評価になります。
効果的なのは、
- 目的がはっきりと絞られている
- そのための表現方法を内容面と金額面両方で良 く吟味する
- 準備(目的と手段:表現方法検討)段階で十分な検討を重ねる
- 映像以外の手段 (例えばPC資料による説明)を組み合わせる
- 映像の役割を絞る、映像でしか出来ないことに とどめる
といった点検をすることです。(後述するようにこれがなかなか出来ないことが多く、 コストアップになる場合が多々あります。)
映像は、シナリオ、撮影、出演、ナレーション、音楽、テロップやフリップ、CG等で表現 (演出)していきます。
これらもその目的に応じて「今回はナレーション重視で」や「出演者 メインで」というような演出のメリハリ、特徴付けが行われます。
その際にP(プロデューサー :責任者)が予算と目的に叶った組み立てをし、極力条件内に収めようとします。これが準備(目的と手段:表現方法検討)段階で重要な部分になります。
この際難しいのは「上がり(完成)が想像できるかどうか」です。
制作側は企画書(シナリオ) 上にある文字を映像化、イメージしていますが、発注側(企業)は殆どイメージが出来ない (例外はあります)ことです。
要は「どんな感じ・全体感」になるのかが見えないので、企画 (シナリオ)の善し悪しの判断を下せず、保険をかける(社内からクレームが出ないようにする) 内容が追加されることがあります。(プロではないので当然と言えば当然ですが)
前述した 「なかなか出来ない」というのが内容の絞り込み=制作費の絞り込みなんです。
長くなりましたが、今回のテーマ「映像制作費って一体いくら位が妥当なのか」の具体的金額の 提示は出来ませんでしたが、ポイントは幾らかでもご理解いただけたでしょうか。
あなた(の企業) が提示可能な金額で、内容の絞り込みを十分検討した内容ならば、それが妥当な金額と言えると思 います。
制作費は近年より厳しくなっています。厳しい条件の中でも何とかはまるように内容を絞り込むの には、高いスキルが必要です。
ローコストで制作をする場合には特に細心の注意を注ぐようにして います。
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